突然ですが僕は、「スポーツカーを買うなら、なるべく下のグレードを選ぶべし」という持論を持っています。
自身が終の棲家ならぬ、終のクルマとして、清水の舞台から飛び降りながらアルピーヌ「A110」を購入する際も、「GT」でも「S」でもない、ましてや「R」なんて、「そりゃ、軽さとともにコスパの良さが最大の魅力なはずのA110じゃなくなるでしょ」って思ったからです。自分の運転技量や求める速さを考えても「素(す)」のA110こそが真のA110だと思うのです(もうひとつの理由として、カツカツで買ったというのももちろんありますが…)。
さて、日本を代表するスポーツカー「ロードスター」ですが、初代となる「ユーノス・ロードスター(NA型)」は1.6L直列4気筒DOHCエンジンを縦置きに積んで後輪を駆動する、古典的なFRレイアウトを採用し1989年に登場しました。
オイルショックや排ガス規制、エアコンなどの重装備が当たり前となり、MGやロータスなどライトウェイトスポーツの生まれ故郷と言える英国の自動車産業不振などにより、そういった車両は絶滅した、と世界的な認識の中、突如として東洋の島国から誕生したのです。
車重は940kgと身軽で、絶対的なパワーはないものの、ドライバーの意のままに動く素直な挙動がたちまち世界中で受け入れられます。デビュー当時にグレードによる分け隔てはなく、車両価格170万円のモノグレードによる構成も、新車として誰にも手が届くお手頃さだけでなく、潔さと迷いがない姿勢で「これ一択」として選びやすかったようにも記憶しています。
