新車のカタログでよく見かける「安全評価最高ランク獲得」という言葉。先日も、スバル「フォレスター」が、国土交通省とナスバ(自動車事故対策機構)の「自動車安全性能2025」において、その年度の最高得点(193.8点満点中、184.62点)を記録した車種にのみ贈られる「ファイブスター大賞」を受賞したニュースが報じられた。
しかし、多くのユーザーが本当に知りたいのは「テストの点数が一番高かった」という表面的な事実ではなく、「実際の過酷な事故において、どう命を守るのか」という点だろう。今回、メディア向けにスバルの衝突実験施設が公開され、その184.62点という数字の根拠を現場で検証するため、スバルの技術者に取材した。
目の前で行われたのは、時速50kmでのオフセット前面衝突実験である(双方が50km/hで衝突する想定で、相対速度では100km/h相当となる)。
「ガシャァァン!」という大きな衝撃音とともに、車のフロント部分は大きくひしゃげた。しかし、実験後の車両を間近で観察すると、明確な「境界線」があることに気づく。
フロント部分は衝撃を吸収するためにしっかりと潰れている一方で、Aピラー(フロントガラスの柱)から後ろのキャビン(居住空間)には目視できる変形がなく、乗員の生存スペースが確保されているように見えた。この「当たり前に見える部分」の背景には、技術者たちが直面してきた葛藤があるという。
